LOOΠΔは「今」見なければならないたった一つの理由

一人ずつメンバーを発表、デビューさせていき、最終的には12人で構成される予定のグループ、LOOΠΔのことが頭から離れない。何かと話題のグループなので名前だけでも聞いたことがあるという人は多いだろう。

 

最初にヒジンというメンバーが発表され企画の内容が明かされたときには、そのユニークさに驚かされたものだが、それよりもBlock Berry Creativeという馴染みのない事務所ながら楽曲やMVのクオリティがいちいち高く、ロンドン遠征してまで撮影するという金の使い方に、「どっからそんな湯水のように金が出てるんだ」「これ完全体までもつの?」といった声が次々と上がり、挙句の果てには背後の石油王の存在までささやかれ始めた。

 

その後もヒョンジン、ハスル、ヨジン、ビビと多少ぐだついたところはあったものの、作品の出来は総じて高く、知的好奇心を刺激されるような細かい描写や設定もなされている。

 

そして続いて登場したのがキムリプというキレッキレの顔面をもつ女の子である。“月蝕”をテーマにした曲で、これまでのメンバーとは明らかに異なる雰囲気をもつMVを目の当たりにし、今後の展開がまったく想像できなくなった。その後発表されたジンソル、チェリとともに結成されたユニット“ODD EYE CIRCLE”がまた秀逸で、完全体に向けて再度ギアを上げ直している。

 

そんなLOOΠΔをなぜ「今」見なければならないのだろうか。

 

完全体としてデビューしてからで十分ではないか。今はそのための準備期間であって、デビューした時の注目度が高くなるためにこのようなシステムを取っているのではないか、そう思うかもしれない。確かにそのような側面も一部としてあるだろう。しかし、このグループが採用しているシステムの本質はそこではないように思う。

 

私の考えを一言で言うと、常にLOOΠΔは「『今』に強烈なスポットライトを当てているから」である。結果主義ではなく過程主義であると言い換えても差し支えない。以下、そう考える理由を述べていく。

 

■一般的なアイドルに関する考察

一般的にアイドルはその名の通り「偶像」としての役割を期待されることが多い。信仰において崇める対象のように、自分の欲望をアイドルに期待として投影し、その期待に対する見返りがあったときに信仰心はより強化されていく。そしてまたアイドルに欲望を投影していく。欲望の種類は「キラキラした姿を見たい」「認知してもらいたい」など人それぞれであるが、そのループの構造が根底にあるのは確かだろう。よくある「アイドルとアーティスト論争」はまた話が別になるが、私はアーティストも広義にはアイドルの一部だと思っている。というより、表現活動をしているひとならみんなアーティストだし、アイドルとは「アイドル性」のことであり、ファン(ある意味での信者)を持つアーティストは大なり小なり皆「アイドル性」を持ち合わせているのだ。

 

話を戻す。雨後の筍のように現れるKPOPアイドルたちは基本的に、コンセプトを作り込まれた状態、もしくは方向性があらかじめ提示されている状態であることが多い。ファンは制作サイドが作り出したその世界観と自分の欲望や期待とを照らし合わせ、合致するものを選択していく。「このアイドルなら自分の期待を満たしてくれそう」というメタな期待がそこには存在する。

 

ここで重要になってくるのはアイドルの宇宙と自分の宇宙の整合性がどの程度取れているのか、その強度である。

 

人は誰しもがそれぞれの宇宙を抱えて生きている。何に心を動かされるのか、思考をどう展開していくのか、人生のどの部分に価値を置くのか、それを現時点での自己の宇宙の因果法則が決定していく。その宇宙とアイドルが作り出した宇宙の一致の感覚こそが先ほど述べたメタ期待なのだ。

 

もちろんアイドルが世界観の射程を広げていくことはあるし、それに呼応するような形でファンが自分の世界観を広げていくこともある。しかしそのときに一致の感覚がなくなってしまうこともある。加えてアイドルはエンタメ業界に生きている以上、大衆からの要請や業界構造に飲み込まれ自らの宇宙を極端に変化させたり、場合によっては放棄してしまうことも珍しくない。そこに違和感を感じてしまえばもう対象から外れてしまっているため、楽になりたいなら自分から離れていくほかないのだ。

 

■自分の宇宙を“託す”ということ

LOOΠΔがそのような一般的に言われるアイドルと決定的に異なるのは、今まさにグループの宇宙を形作っている最中であり、それに私たちも加担できるという点である。宇宙を作っている最中であるというのは公式も述べている。

  

It isn't just a series of releases every month to make a group in a year, but it is a story told by music introduced to the world, one after another, to expand the Loonaverse. <[MV] 이달의 소녀/김립 (LOONA/Kim Lip) "Eclipse"   より>

 

一人ずつメンバーを発表して曲をリリースしていくのは単なる過程ではなくて、LoonaverseというLOOΠΔの宇宙を拡大していくための手段なのだ。用意された宇宙にメンバーを配置していくのではなく、メンバー自身が宇宙を形成していく。

 

宇宙を広げていくために戦っている、そんなアイドルに自分の宇宙を“託す”のである。こうあってほしい、ではなく、ともに戦ってほしいという願いを込めるのだ。

 

“託す”という言葉で私が意味していることは、一方通行的な関係性ではなく、アイドルとの対等な関係、共感しながら前に進んでいく、ということである。

 

人が自分の宇宙を拡大していくには相当な勇気を必要とする。なぜなら確信している足場をいったん括弧に入れて進んでいかなければならないからだ。一般的に言われるアイドルでもその宇宙の射程を広げていくことはあるが、あくまでそれは元々の足場を基準にしている(と、私は考えている)。アイドルはファンに「これが好きなんでしょ?」という問いかけをしながら慎重に世界観を維持したり更新したりする。ここにはアイドル→ファンという図式があり対等であるとは言いがたい。

 

対してLOOΠΔはそもそも宇宙を形成している最中であり、立脚すべき足場は存在しない。そして行き先も誰にも分からない。(想定している青写真はもちろんそれはそれとしてあるのだが、LOOΠΔはそれがまだ「分からない」という立場を取っている。これは公式が、「ヨジンはメンバー達の元へ辿り着けるのか?」や「誰と出会うのか?」という疑問文を敢えて使用していることから分かる)その点で私たちはLOOΠΔに共感することができる。不安定な足場に立ちながら孤独さを抱えつつ宇宙を広げ、未知なるものに出会っていく彼女たちに自分を重ね合わせることができるのだ。

 

自分の願望を投影した虚像を作り上げるのではなく、他でもない自分自身をLOOΠΔに託しているのである。世界観を作り込まれたアイドルを享受するような形とは対照的に、ともに世界観を作り上げていき、同時に自分の宇宙も拡大していく過程、そこに立ち会う。自らの行き先をアイドルでもありながらひとりの少女でもある存在に託すことで共感しながら前に進んでいくことができる。足場が不安定であるからこそ、そのような前進可能性がある。

 

自分が放つ光とLOOΠΔが放つ光を頼りに、探り当てていくような感覚で世界に出会っていく。現時点で私に関しては、裏表の概念、宇宙と天体、他者との関係、などさまざまなテーマに出会いながら宇宙を拡大している。次に何が待っているのか誰にも分からない(先にも述べたようにあくまでそうであるというスタンス)からこそ、何に出会ったとするかも個人の自由である。見る人の数だけ広がりのベクトルが存在する。なぜならLOOΠΔと私たちは対等だからだ。

 

■lovelyzとの類似点と相違点

ここでlovelyzにも触れておきたいと思う。これまで述べてきたような考えは元々lovelyzについて感じていたことを応用したに過ぎないからである。

 

lovelyzの本質は、8人の少女からたったひとりの匿名の少女が浮かび上がってくる点にある。彼女たち、いや彼女もまた自らの宇宙を広げていく最中にある。そしてそれに私たちも加担している。lovelyzという姿をとって現れたひとりの少女の宇宙をともに深化させながら内面化していくのがこのグループの意義であり、この点において芸術だと少なくとも私はそう考えている。lovelyzは一応の世界観を備えて登場したが、勇気を出してその安定した足場を離れようとしている態度(この点が他のアイドルと違う点である。例えば爽やかなコンセプトから大人びたコンセプトに変わった時に「足場を離れた」と感じるかもしれないが、それは単に制作サイドが介入して元いた足場を基準に宇宙を拡大しただけ、もしくは宇宙全体を放棄しただけであり、反面lovelyzは、他でもない"自分自身"が「変わりたい」と強く願っているのだ。だから共感することができる。作品世界の彼女たちには私たちと同様に自由意志が与えられていると言っても良い。)によって、私たちとともに、行き先が不透明で可能性に満ちた対等な立場となった。

 

しかし、LOOΠΔはlovelyzのようにひとりの少女の生き方や運命をともに経験するというより、一人ひとりの少女の有機的な関係、それを形作るための手続きにかけているような印象を受ける。公式も述べているように、「異なる(ように見える)概念同士がどう繋がり、どう世界を形作っていくのか」その方法をともに経験していくことに意味がある。この点の議論は本論の射程外なので時間があればまた考えてみようと思う。

 

■「今」への強烈なスポットライト

長々と理由を述べてきたが、言いたいことはたった一つ、「LOOΠΔはリアルタイムで追え」ということである。宇宙を拡大しているその瞬間、生き生きとした前進可能性を秘めた「今」にLOOΠΔは強烈なスポットライトを当てているのだ。そこには過去も未来も存在しないし、何に出会うか分からないという高揚感がある。

 

ともに出会うのではなく、完全体となった後に(目的地にたどり着いてしまった後に)、すでにLOOΠΔが出会ってしまったものを後追いするのは対等な関係とはいえず、手垢がついてしまったものを再解釈する作業に過ぎない。

 

lovelyzが行き先も分からないまま「今を変えたい」と望んで歩んだ先にチグムウリがあったように、LOOΠΔは「12人が出会う」という目的をもって進んでいる。その先に何があるのか、どこで、どのような形で叶うのかは分からないが、そこにたどり着けば、おそらく一般的なアイドルに似た形に回収されるのではないかと考えている。ちょうどlovelyzが現実のアイドルとしてクリスマスソングに挑戦しようとしているように。(これはMVが公開されるのを待つしかないが。)

 

もちろん完全体となってからもLOOΠΔは新しい仕方で宇宙を広げていくだろう。しかし、完全体となった瞬間に形成されている足場がある。lovelyzのようにその足場を離れる(一般的なアイドルの「コンセプト転換」とは決定的に違う。lovelyzは元いた足場を基準にしたり、まして無視するわけでもなく、弁証法的に前に進もうとしているからだ。)かもしれないが、私にはそうなるようには今はあまり思えない。LOOΠΔの願いは、「宇宙を広げ、出会うこと」であり、その出会いはメンバーに出会うこととイコールだからだ。それに加え、メディアに露出し知名度を上げる必要があったり、チャート成績や大衆の要請から逃れることができなかったりする一般的なアイドルの宿命に飲み込まれてしまうだろう。今のKPOP界の構造を考えるとなおさらである。つまり、完全体になってからでいいやという怠慢はLOOΠΔの醍醐味の半分も楽しめない、いや、本質を見失うことにもなりかねないのだ。

 

 

「今」、なのだ。LOOΠΔが他のアイドルと一線を画す点はまさにここにある。過去となってしまったものを振り返るだけでは、過去のその時点における無限の可能性を見逃してしまう。そしてLOOΠΔは予め想定されている未来に向かっている訳ではない。そこにあるのは「今」宇宙が広がっているという事実のみであり、そこに私たちも加担することができる。

 

完全体になったからといってLOOΠΔの物語が終わるわけではないし、言明可能性は残り続ける(と信じたい)が、いったんの完結を迎えることは確かだろう。

 

ストーリーテラーはあくまでもLOOΠΔに託した私たち。製本された過去の物語を文字通り音読していくことと、自分なりの解釈を加えながらLOOΠΔとともに物語を現在進行形で語っていくこと、どちらを選ぶだろうか。私なら後者を選ぶ。なぜならまだ見ぬ景色に出会えそうだからだ。

 

『The Unit』備忘録(11/04/3~4話)

審査順に、通過した子のみ、主観だらけのメモ。ちなみにThe Unitはなぜか一日に二話放送してます。分ける意味あるのか?

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1.MADTOWN★

MBLAQの事務所から2014年にデビューした7人組グループからメインボーカルのイゴンとメインダンサーのデウォンの二人が参加。所属事務所との専属契約解除訴訟中らしく練習着で登場。何やら事務所のCEOが問題起こしたらしく、知り合いのオフィスを借りて練習してるとか。この番組のコンセプトど真ん中の苦労人の登場により一気に緊張感が高まる。しかしイゴンが振り付けをミスしていまい、そのことをピソンベニムに指摘される。そしてメインボーカルですよね?歌を見せてくださいと言われ、顔中から汗を吹き出しながらミスによる焦りと緊張を抑え歌う姿がめちゃめちゃ切実で一気に気になりました。さすがメインボーカルという歌声を見せ6ブート獲得。デウォンくんもまだまだ実力が足りないと指摘されるも、審査員チヨル(だれ?笑)が「登場の時に何度もお辞儀をしていた。その礼儀正しさが君の個性だと思う。」との評価をもらい温情ブートで通過。2人ともめちゃくちゃ真面目なのが伝わってきたし、応援したくなる人柄だと思う。何より顔がタイプです。かわいい。

自分を落ち着かせるイゴンくん↓

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2.DIA

イェビンとソミの2人が参加。ツイッターでも話題になっててチェヨンへの嫉妬に燃えるキャラとして描かれてたけど個人的にはそこまで「チェヨンと仲間たち」の印象はないけどなー。まあそれは自分がオタクだからであって大衆からはそんなイメージなんだろうけど。ただ加入して間もないソミがそれを言うのは早すぎないか?笑(多少なりとも言わされてる部分もありそう)レドベルのHappinessを披露し2人とも通過。テミンさん評「違う惑星から来たようだ(褒め言葉?)」

 

3.SONAMOOウィジン

1stミッションの曲「My Turn」の女の子センター。Secretの後輩ということでデビュー時から一応知ってるんですけどグループ全体のビジュアルも実力も申し分ないのに、みんなある程度なんでもできるせいかコンセプトがなかなか定まらず出しどころが分かってない節がある。ウィジンのせいにするんじゃなくて事務所がなんとかしてください。ヒョナのBubble Pop!を選曲し見事通過。

 

4.Boyfriend

スタシのもうベテランとも呼べる6人組グループからドンヒョン、クァンミン、ミヌ、ジョンミンの4人が参加。ドンヒョン以外95ラインとかで割と若かった。さすがに全員通過かと思ったけど、「大変心が痛い。どうしてそんなに自信がなさそうにしているのか。」「以前のように楽しく、自信をもって歌って欲しい。」と酷評の嵐。共演したことも何度もあるであろうヒョナに言われるのしんどいだろうな。。ヒョナも同じく。。リーダーのドンヒョンのみ「あなたが頑張ることがBoyfriendのためになる」とグループの未来を託される形で6ブート獲得。

 

5.100%

TEEN TOPと神話の事務所TOP Mediaからデビュー5年目の5人組が参加。ミヌ、ロクヒョン、ジョンファン、チャニョン、ヒョクジン。ミヌさんすでに三十路越えてた。審査員一同「すぐに決まった」と声を合わせロクヒョンのみ通過。

 

6.Melody Day

2012年デビューの4人グループからユミン、ヨウン、チャヒが参加。OSTといえばこの人たちらしい。TTSのTwinkleを選曲しスーパーブート。

 

ここでラップ組の審査が入り、San E大先生の「ただうるさかった。」「(誇張しまくった騒がしいラップをしたあと)ずっとこんな感じがしました。」「ヘタクソ。何言ってるか分かんねえ、バイブもねえ、最悪。」などのありがたい辛口評価が続く。全員落ちる。同業者にめちゃくちゃ厳しそう。

 

7.MVP

2017年デビューの7人組。結構評価高かったけどP.Kとラユンとジンのみ通過。感情移入できないからもう今年デビュー組出るのやめてくれ。

 

8.JOO

韓国では有名らしいソロバラード歌手。BTOBイルンの実姉。JYPで練習生やってたときにヒョナと同期で、ワンガの準備もしていたとのこと。現在はウリム所属。ラブリズとごるちゃが好きな私は軽率に感情移入。アイドルになりたかったらしくすでにベテラン実力派の雰囲気を漂わせているが参加。ヒョナとは小学校からの付き合いらしく、そんなオンニを審査しなければならないヒョナはもちろんオットケ~連発。こんなこというとアレだけど審査員と関係深い人出すのギルティじゃない?6ブート獲得して通過。

 

9.Kanto(元Troy)&カンミニ(Miss $)

R&Bヒップホップ(どういうジャンル?)のTroyという4人組からKanto(松坂桃李っぽい)とMiss $という2008年デビューの3人組(Brand New Music)からカンミニがその場限りの男女混合ユニットを結成しパフォーマンス。Kantoは実力派らしく、セブチのウジとコラボした経験あり。評価はかなり高くそろって通過。韓国クオリティはパフォーマンスの形式もガバガバで何でもありである。

 

10.ソルハユン

はい出ましたトロット歌手。観客の心を掴むのに長けてるのか実に舞台慣れした軽やかなトーク。バラードで歌唱力アピールかと思いきやAOAのシンクンヘをまさかのリップシンクで踊り「ダンスに集中して欲しいから」といまいち納得できない発言。その後普通に歌い6ブート獲得。

 

11.IM

モネクのほうじゃない4人組新人グループ。セブチのアジュナイスでスーパーブート。これ選曲が審査ポイントの9割くらい占めてない?ギソク、テウン、キジュン(My Turnの男の子センター)、ハンギョル。16歳のメインボーカルキジュンくん天真爛漫キャラで、息を切らしながら「(どうしてパフォ中に私を凝視していたのかとピに聞かれ)先輩尊敬してますっ!」「ハンサムですっ!」などと発言しピソンベニムに気に入られる。

 

12.ジェイニー

アイドル、ラッパー、女優など多方面で活動していた方。通過。

 

13.シンジフン

K-POPスター2」出身らしい。作詞作曲自分でこなす。キーボード弾き語りを行う。ダンスの才能はゼロで審査員苦笑いも有り余る歌の才能で通過。

 

14.ユナキム

あまり私は知らないんですけど「SUPER STAR K3」のアメリカ予選で注目を浴び、YGの練習生となった後、YGを離れTHE ARKでデビューするも解散。多数のオーディションプログラムに出演しているため、San Eから開口一番「オーディション中毒者」と揶揄される。ディスするなら本業のほうでやってほしい。「自信に満ちている」と高い評価を得て通過。

 

15.イスジ

こちらもTHE ARK出身の元ハンラ。R.G.Pのビジュアルセンターっぽい。確かにかなり綺麗。ユナキムオンニと仲良く5ブートで通過。この2人はおそらく要注目。

 

16.熱血男児

ビン、マルコ、ギュヒョク、タロ、ジサンで構成される5人組新人ナムグル。ぶろびのニリリマンボを選曲。ドレッドヘアーニコニコ坊やマルコのクセが強すぎてムンボクに似たコンテンツ性を感じる。謎に好感度も評価も高く会場中が「カワイイ~」となり、案の定マルコだけ通過。

 

17.少年共和国

2013年デビューの5人組グループ。そこそこ名前は聞いたことあるから人気の時期もあったっぽい。数々のコンベンションや広告モデルを経験するも徐々にファンも減っていき今は天と地の差とメンバーは嘆く。メンバーの一部がうつ病になり自殺も考えるなど苦労も多いグループらしい。エクソのオバドズを選曲し、ウォンジュンとソンジュン、スウンのみ通過。

 

18.HOTSHOT

ワナワンのソンウン、JBJのノテヒョン(HOTSHOTではキッドモンスターという芸名らしい)などの再デビュー組が所属することから注目度の高い6人グループ。ティモテオとマンネのホジョンの2人が参加。エクソのKoKoBopでスーパーブート獲得。若干川谷絵音感のあるティモテオさんはテミンと小学校時代からの仲らしくまたしても審査員と縁の深いアイドルの登場。さらにテミンとともにピ先輩のようになりたいと夢見ていたらしく、そんな2人に審査される何とも言えない巡り合わせ。テミンは見たことないくらい号泣しそれがまた仲のよさを窺わせる。どゆにで2人の人気が出たらHOTSHOTどえらいことになりそう。

 

 

とりあえずMADTOWNの2人を推していきたい。もうミックスナインの備忘録を書く気力がないのでそっちは視聴だけにしようかな。

 

 

『The Unit』備忘録(10/28/1~2話)

けーぽっぷファンとして一度はオーディションブームに乗っかっておこうというミーハーな考えのもと、The UnitとMIXNINE、視聴開始いたしました。

 

しかし、ただでさえオーディション追っかけたことないのに似たようなプログラムを同時進行でチェック、しかも土日の連続コンボはさすがに頭がやられるので備忘録としていろいろ書き留めておくことにします。

 

気合い入れすぎると続かないのであくまでメモとしてゆるゆると。細かい間違いおそらくたくさんあるのでお許しを。

 

 

■The Unit(U)とMIXNINE(M)の比較

・コンセプト

U:デビューするもなかなか陽の目を浴びなかったアイドルの再起プロジェクト。とはいいつつデビューして間もないキラキラしてる子たちや、練習生、俳優、トロット歌手なども多数出演し、すでにコンセプトがふわふわし始めている。

 

M:YGヤンサが全国津々浦々の中小事務所をまわり、原石を発掘し育成するお金持ちの遊び。

 

・デビュー

U:男女各9人ずつUnit B、Unit Gとしてデビュー。おそらく期間限定。

 

M:男女各9人ずつのグループができたのち、男女で対決を行い勝利した方がデビュー。ワールドツアーを目論んでいる、ぶるぴんの妹グループ結成が目標か?などの真偽不明な噂があり、YG(というかヤンサ)の野望がちらり。期間限定じゃない可能性もあり。

 

・序盤の審査システム

U:審査員と観客の前でパフォーマンスを行い、そのパフォーマンス中に観客からの評価で90%以上獲得すれば“スーパーブート”となり審査員の審査を経ずに一次審査通過。そうでなければ6人の審査員からの票(ブート)を1票でも得ると通過。ちなみに審査員はピ、ヒョナ、テミン、アイリン事件のラッパーSan E、あとの二人は分からん。

 

M:ヤンサが都市部からド田舎まで全国の中小事務所をまわり、既デビュー組や練習生を次々にぶったぎって審査していく。評価によって“脱落”、“練習生バス”、“デビュー組バス”に分かれ乗車していき、あいのり方式でヤンサと旅していく。同じバスに男子練習生が乗ってきた瞬間に女子練習生たちが一斉にティント塗りだしたシーンはこれからも語り継がれていくだろう。デビュー組のバスは男女合わせて9人しか乗れないので、よりデビューに近い子が見つかった場合は当然交代していくのだが、練習生バスに追いやられるメンバーの発表をその子にさせる鬼畜仕様。というか男女各9人ずつをまず選ぶんじゃないの?Vでもいろいろやってるしまだまだミクナは勉強不足。ヤンサと一緒にCLやZion.Tも審査に加わる。正直どれだけヤンサをデレデレさせるかが鍵である。

 

・番組の雰囲気

まだ序盤でよく分からないので個人的な印象を言わせてもらうと、The Unitは少々淡白だけどその分見やすい。MIXNINEはプデュも担当したPDが指揮をとっているだけあって飽きさせない工夫がなされてるけど、ごちゃごちゃしてて見にくい。ヤンサがキモイ。というかちゃんと名前の近くにグループ名も併記しとかないと調べづらいでしょうよ・・・

 

・ブログ主のおすすめ

推してる子知ってる子が出てる方を見ればいいんですけど、私のおすすめは元Aprilのナチュラルボーンアイドルヒョンジュが出演しているThe Unitですかね。それを抜きにしてもヤンサ(そこまで知らないけど)がキモすぎてMIXNINEはフラットに見れません。あとCLの服がずり落ちないかヒヤヒヤしてた。それに比べてThe Unitはテミンくんとかヒョナが女神に見えてきて好感度高いです。お涙ちょうだいの演出多いのは気になるけどそれも嫌いじゃないし。とはいえ最近イチオシのA.C.Eとかグループ内で分かれて両番組に出てるし、ミクナにも気になる子いるし結局両方見ますよね・・・

 

 

 ■『The Unit』備忘録(1~2話)

審査順に、通過した子のみ、主観だらけのメモ。

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1.Good Day

デビュー三ヶ月(すでに番組の趣旨を疑う)の10人グループから6人が参加。選曲したのはソシのタシマン。セジョン枠狙いか?って感じのスマイルちゃんジウォンと、メインボーカルでおまごるスンヒ風味のリーダーヒジンがフィーチャーされる。チェソル、ビバ、ジニとともに通過。ジニがかなりの美形。マンネのラッキーちゃんのみ落ちる。


2.A.C.E★

今年デビューした楽曲もダンスもハイクオリティな5人グループから2人が参加。残りの3人はミクナのほうに参加するという謎の人員配置。選曲が微妙と言われソンミのガシナを踊りリーダーのジュン、マンネのチャンともに通過。あえて実力を隠していたのではないかと踏んでいます。

 

3.元Aprilヒョンジュ★

2016年のティンカーベルという曲で活動していた時、体調不良で離脱しそのまま合流できず脱退。しかし夢を諦めきれず再起を目指す。Aprilファンである私はもちろんこの子を応援します。KARAのPretty Girlを選曲し、途中で急に自己紹介を挟み審査員をぽかんとさせたり、事前VTRのコメントを何回も噛んでしまったりその四次元なアイドル性から女版アンヒョンソプとの呼び声も高い。ピさん「(観客に)なぜスーパーブートにしないの?」テミン「アイドルの基本を見ているようだ」とべた褒め。正直ヒョンジュのアイドルとしての宇宙はAprilにいてこそ広がり深化していくものだと思っていたけどここまで認められたからには絶対にデビュー勝ち取って欲しい。

 

4.U-KISSジュン

2014年6月に加入したマンネジュンが一人で参加。早くも2人目のジュンに困惑しつつもスーパーブート。

 

5.DalShabet(セリ、ウヒ)、Laboum(ユジョン、ZN、ヘイン)、Brave Girls(ウンジ、ユジョン、ユナ)、BESTie(ヘヨン)

さすがそこそこの知名度と人気を誇るグループだけあってさらっと全員通過。ただブレゴルのユナだけ分からん。通過してないっぽい?ラブムがこの番組出演したのってユルヒの脱退も関係しているのかいないのか。

 

6.元T-araアルム

7.元Day6ジュニョク

訳ありの2人も通過。

 

8.BIGSTAR

勇敢な兄弟達がプロデュースした5人組グループから4人が参加。セジョンのFlower Roadを選曲し、ソンハク、FeelDog、レファン、Jude全員通過。そのなかでもレファンが「諦めようと思ったけどこれ以外に何もできないしやりたいこともない。もう秋夕なのにザユニットがあるから実家に帰れないと話してるのに、落ちたら帰らなくちゃいけないから・・・」と大号泣。ツイッターでその様子が回ってきてて泣き顔が深刻すぎて落ちたと思ってたからよかった。レファンくんヤバイわ。涙腺ヨワヨワ芸人が続々と彼に落ちていきそう。私も落ちそう。かわいいし。


9.イジョンハ

ナムアクターズの新人俳優(まさかの)。ピソンベニムの「実力は不足しているが、なんかいい」というふわふわした評価で通過。なぜかダンス指導なども行いピソンベニムの肩入れが光った。

 

10.イジュヒョン

Cube所属の13歳の女の子が大先輩ヒョナの前でBoAのValentiを披露。何が再起なのかもうよく分からないしどうでもよくなってきたが高い評価を得て通過。

 

11.元SPICAジウォン

グループ解散後青汁の会社(?)に就職していたという衝撃の事実。さすが明らかに他とレベルが段違いでスーパーブート獲得。この才能が再び注目されるだけでもこの番組やる価値あるよなーとは思う。



ではまた次回。果たして続くのか。

 

 

ライブ中に内省し過ぎるクセをどうにかしたい

先日、zeppなんばで行われたlovelyzというグループのリリースイベントに参加してきた。かの悪名高いキッスエンタのイベントということで心配していたが、あまりにもあっけなく終わってしまって少々拍子抜けだった。

 

ただジエ、あの子はだ。あの儚さはこの世のものとは思えない。儚い雰囲気を纏う女性は数多くいるが、儚さのオーラの強度が段違いである。一見相反するように思えるが「今にも消えてしまいそうな儚さのオーラ」が「鬼の形相で」迫ってくるのである。儚さの鬼、ジエ。今後も彼女の活躍から目が離せない。

 

そして司会のお姉さん、彼女は完全にドブ沼である。まだまだオーラもない駆け出しの司会者ではあるが、それが逆に親近感を倍増させ応援したくなってしまう。めっちゃ調べた。帰ってから鬼の形相でググッた。しかしなかなかめぼしい情報が手に入らずそれもまたよい。本人はそのグループ目当てだと思っていても、心の奥底で本当に会いたいのは「司会のお姉さん」という事態が必ずやって来る。自分で認知できていない時点で、圧倒的ドブ沼なのである。

 

 

 

閑話休題

 

皆さんはライブ中に何を考えているのだろうか。ライブと一口に言っても開演前、本編、MCなどさまざまな場面が想定されるのだが、私はよっぽどのことがない限り自分の行動を客観的に見つめている。

 

たとえばアーティストが登場して手を振り回してるとき、「気づいて~」と思うよりも「うわ~自分めっちゃ手振ってるよ」ってなってるし、コールや掛け声をするときも「自分がやらないと場を盛り下げてしまうかも」とかいっちょまえに余計なことばかり考えている。つかれる。特に何をするわけでもないけど。

 

これはなまじオタク歴があると陥りやすい症状だと思うのだが、自分という存在がその場を作っているという感覚に必要以上に取り憑かれてしまっている病であると考える。

 

よく典型的なオタクの現場で見られる「オタ芸」、あれに関しては異質な庭すぎて正直よく分かっていないのだが、この場の感覚の最たる例だと思う。

 

いやもうアレ、一切ステージ見てなくない?もはやアイドルよりも当事者意識が強いので最たる例なのかももうよく分からない。

 

もちろんライブは観客も一緒に作るものであるから、そのような感覚は大事だし、観客の盛り上げ次第でライブの質はグンと変わってくる。アーティストのテンションもそれに左右されるし、終演後の満足感にも差が出てくる。だから大きな声を張り上げて声援を送ってくれる人にはいつもめちゃめちゃ感謝してる。

 

しかしそれがアーティストやライブのための場を作るということを思ってではなく、「自分こそがこの場を作ってるんだ」というように単なる自己満足のためだとしたら話は別である。いや自己満足でもなんでも盛り上げてくれるならいいんだけど行き過ぎるとホント不快なガヤに成り下がるだけだからそれだけはご勘弁ていうかこんな偉そうに言う資格はないのでこの話やっぱキャンセルで。

 

 

とにかく私が言いたいのは「自分が場を作ってるというメタ認知」が働きすぎるのはいかがなものか、ということである。

 

バンドのライブなんかでは、曲に合わせて手を開くとも閉じるとも言えないあの絶妙な感じで腕を前方に振り続けるのがお決まりだが、これも私の場合メタ認知が強すぎて、「周りに合わせてやってるけど、これは一体なんなの・・・?」となり、途中から完全にゲシュタルト崩壊を起こしてしまう。もうライブどころではなく、私の頭の中は「どうやったら腕を前方に振り出すことができるんだっけ?」という思考が支配する。自分の行動を認知しすぎた結果、それまで自然にできていたことができなくなり、精神と肉体が分離していく。ああ、心身二元論

 

 

私が今求めているのは頭の中での反省をしないような純粋経験ができるライブである。幕が下りた後にはっと我にかえるような、そんな深い没入感。かつて西田幾多郎を読んだときにはさっぱりだったが、いまはなんとなく分かる気がしてきた。西田もライブ中に自己をうっかりメタ認知してしまいがちな青年だったのだろう。

 

主客未分の状態、つまり頭だけで楽しんでるわけでも体だけで楽しんでるわけでもなく、両者が渾然一体となって初めて到達する真理。イデア

 

 

 

目指す場所は、遥か先にある。

 

 

 

 

 

 

 

Lovelyz「今、私たち」日本語訳と所感

지금, 우리(今、私たち)日本語訳

 

왜 깨지 않는 걸까

なんで目覚めないのかな
늘 이쯤에서 깨곤 했단 말야

いつもこのくらいで目を覚ましてたんだよ
참 싫다는 건 아냐

嫌って訳じゃないの
나는 있지

私はね
솔직히 좀 실감이 안 나서

正直ちょっと実感が無くて
왜 살짝 내 손을 잡고

なんでそっと私の手を掴んで
귓속말을 건네는 걸까

耳打ちをするのかな
몰라 아무것도 들리지 않아

分からない 何も聞こえない
너무 가깝잖아

あまりにも近すぎるじゃない
온 세상이 막 어지럽던 그 순간

世界中が目まぐるしく回ったその瞬間
지금 너랑 나랑 모든 게 다 거짓말 같아

今 あなたと私とすべてがウソみたい
너랑 일분 이분 시간이 다 거짓말 같아
あなたとの一分二分の時間がすべてがウソみたい
꿈일까 아닐까

夢なのかな 夢じゃないのかな
몽롱한 기분인 걸

ぼんやりとした気分なの
네가 좋아한대 날

あなたが私を好きだって
어떡해 진짠가 봐

どうしよう 本当みたい
또각또각 불빛 아래 두 사람

コツコツ明かりの下二人

빙글빙글 내 두 눈은 너를 따라

ぐるぐる私の目はあなたを追って
사뿐사뿐 발을 맞춰보는 나

そろりそろり歩調を合わせてみる私
진짠가 봐 연인이 될 건가 봐

本当みたい 恋人になるみたい
좀 숨 막힌 것 같아

少し息が詰まりそう
이 어색함이 나쁘단 건 아냐

このぎこちなさも悪くない
그 사랑스런 눈빛

その愛らしい瞳
그건 마치 널 보던 내 모습과 닮아서

それはまるであなたを見ていた私の姿のようで
난 살짝 실눈을 뜨고

私はそっと薄目を開けて
너와 나의 거리를 재봐

あなたと私の距離を測ってみる
한 뼘 정도밖에 안 남았잖아

ちっとも残ってないじゃない
곧 닿을지 몰라

すぐに届くかもしれない
온 세상이 막 어지럽던 그 순간

世界中が目まぐるしく回ったその瞬間
지금 너랑 나랑 모든 게 다 거짓말 같아

今あなたと私のすべてがウソみたい
너랑 일분 이분 시간이 다 거짓말 같아

あなたとの一分二分の時間がウソみたい
꿈일까 아닐까

夢なのかな 夢じゃないのかな

몽롱한 기분인 걸

ぼんやりとした気分なの
네가 좋아한대 날

あなたが私を好きだって
어떡해 진짠가 봐

どうしよう 本当みたい
또각또각 불빛 아래 두 사람

コツコツ明かりの下二人
빙글빙글 내 두 눈은 너를 따라

ぐるぐる私の目はあなたを追って
사뿐사뿐 발을 맞춰보는 나

そろりそろりと歩調を合わせてみる私
진짠가 봐 연인이 될 건가 봐

本当みたい 恋人になるみたい
내 귓가에 시작된 멜로디

私の耳元で始まったメロディ
셀 수 없이 그려왔던

数え切れず描いてきた
네 떨림과 나의 설렘이

あなたのどきどきと私のときめきが
연분홍색 빛 속에 춤을 춰

桜色の光の中で踊る
너랑 이렇게나 가까운 게 거짓말 같아

あなたとこんなにも近くにいるのがウソみたい
너의 심장이 막 울리는 게 거짓말 같아

あなたの心臓が高鳴っているのがウソみたい
꿈일까 아닐까

夢なのかな 夢じゃないのかな
몽롱한 기분인 걸

ぼんやりとした気分なの
네가 사랑한대 날

あなたが私を好きだって
어떡해 진짠가 봐

どうしよう 本当みたい
또각또각 불빛 아래 두 사람

コツコツ明かりの下二人
빙글빙글 내 두 눈은 너를 따라

ぐるぐる私の目はあなたを追って
사뿐사뿐 발을 맞춰 보는 나

そろりそろりと歩調を合わせてみる私
진짠가 봐 연인이 된 건가 봐

本当みたい 恋人になったみたい

 

・楽曲解釈

 

とりあえず歌詞を雰囲気で和訳してみました。割とありがちな詞だとは思うんですけど、今までのラブリズにどっぷり浸かってきた方々からすると、この詞がタイトル曲になるっていうことをどれほど待ち望んできたか。少々急すぎる気もしますがここは素直に祝福したいと思います。おめでとうラブリズ。

 

嫌って訳じゃないの

私はね

正直ちょっと実感が無くて

 

って自分で望んでいたことのはずなのに、いざその瞬間を迎えると頭も心もついていかない少女達かわいすぎませんか!!!俺もまったく実感ありません!!

 

だってこれまで、夢と現実、自己と他者の狭間で揺れ動いて自分自身をすり減らして来た少女達がこんなにも生き生きとしてるんですよ・・・そりゃ嬉しくもなりますよ。自己にこもっても他者に委ねても鬱屈とした感情からは解放されない、ダブルバインドの呪縛に囚われていた彼女達が何か新たな可能性に気づいた瞬間なんですかね。

 

他の印象としては「Hug Me」や「퐁당」、「1cm」のようなアイドルポップとしてのラブリズも全面に押し出され始めたのかなって。現実世界/作品世界という構図とも関わってきますがこの境目が取っ払われてきたのかもしれません。

 

 ・MV解釈

 

突き抜ける青が少女達のもやもやとした気持ちが晴れていく様子を表しているようなMV。まだ数回しか見れてませんが気になったとこだけコメントしてみます。

 

・気づきのシーン

 

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ケイちゃんが自分自身に背中を押してもらうシーンと、ミジュが背中にある鍵に気づいたシーンですね。泣きました、もちろん泣きましたとも。

 

自分が次に進めないのは自分自身で歯止めをかけてたからだ、っていう気づきですよね。みんなあまりにも幸せそうで意味ありげなこと何も言えない!

 

・内⇔外という視点からの転回

 

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ここすごく重要で、今後のラブリズの展開が示唆されてるような気がするんです。ミジュは窓を開けた後、鍵を捨ててしまいますよね。それって「内」と「外」という概念さえなくしてしまおうってことなんじゃないかと思うんです。

 

お部屋の中で一人だった少女が外に出て自由を得る、そんなファンタジーな枠組みでは実は捉えきれなくて、常に開き続けることによって、目まぐるしく回る世界の中であらゆるものを受け入れ、吟味し、また発信していくような新しい自己と他者のカタチ。

 

そう思う理由が、スジョンが外の世界を夢見て梯子を上ってたどり着いた先が、何も存在しない空虚な場所だったから。「内」に対するものとしての「外」は結局中身が伴わないんです。

 

だから内も外も、自己も他者もすべて受け入れ許容した上で、両者が共存できるような未来を夢見ていかなければいけない。

 

コツコツ明かりの下二人

ぐるぐる私の目はあなたを追って

そろりそろり歩調を合わせてみる私

 

自分にばかり目を向けるのではなく、かと言ってあなたに求めすぎるのでもなく、ぎこちなくても歩幅を合わせて一緒に進んでいこうって。だからこそあなたの胸の高鳴りだって感じることができるし、今まで思い描いてきたことがウソみたいに叶っていく。そしてそのギャップに戸惑っているところが最高にかわいいんです!!!

 

TLで見かけたんですけど、"Trilogy"には「過去」「現在」「未来」といった意味合いも想定できるみたいで。次回の三部作が先ほど述べたような「未来」を描いてくれるのだとしたら、これほど素敵なことはありませんね。

 

 

ちょっとテンション上がりすぎて思いつくままにばーっと書いてしまったので、考えが変わる可能性は大いにあります!人形との関連性とかもう一つの収録曲の位置づけとかまだまだ組み込んでいないパーツがあるんで、コイツ言ってることブレブレやんと思ってもそっとしておいてあげてください。

 

 

 

自分にとっての「K-POP」を見直してみた

激動の2016年も残すところあと10日である。少し前のことになるがミヤネ屋で今年の漢字が発表される瞬間をコタツに包まれながら見ていた。正直「金」が霞むくらいにはヤバイ出来事が起きていて、今までの足場が崩壊しつつあった年だったと思うのだが、きっとその不安を見てみぬふりをした結果の「金」なのだろう。

 

さて年末ということでやはり流行っているのは2016年の振り返りだ。自分も流行りに乗っかって「今年のK‐POPソングベスト30」の発表でもしようかと思ったのだが、巷で発表されているランキングと大した差はないので割愛することにする。そんなことよりも重要なのはベスト「30」という点だ。特に何も考えず30と書いたがそれだけの数の曲がさらっと浮かんでくるほど今年はK‐POP好きとしての飛躍の年だったということである。

 

 

ところで昨今のK‐POP界は供給過多すぎではないか?と思ってしまうことが少なくない。これは主に雑食と呼ばれる人々にとっては深刻な問題であると考える。一日かけても未視聴の動画を片付けることができないなんてざらにあるし、仮に見終わっても翌日には新たな動画がひょこっとYouTubeのトップ画面に顔を出す。消化不良の無限ループだ。自分も今はてなブログを書きながら別ウィンドウを開きながら赤ほっぺちゃんのライブ映像を消化しながらラブリーズの単コンの妄想をしている。歩くマルチプログラミングである。

 

果たして、このような現状を考慮してなお胸を張って「2016年はK‐POPを楽しんだ年だ」と言えるのだろうか。そこで今回は「K‐POP」というものを改めて見つめ直し、新しい関わり方を模索してみようと思う。そのためにはまず自分のK‐POP遍歴を振り返ってみることが理解の一助となるだろう。

 

K‐POP童貞期

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Lovelyz「人形」における少女の心の揺らぎ

少女三部作に続く新たな三部作を、「Destiny(私の地球)」をタイトル曲に据えたミニアルバム「A New Trilogy」で4月にカムバックしたLovelyz。

 

Lovelyz「Destiny」考察-少女が望む運命とは-|まっくのGood Days

 

これは当時、タイトル曲「Destiny(私の地球)」の歌詞とMVを自分なりに噛み砕き、「少女が望む運命とは何か」ということについて考察したものなのですが(ぜひ読んでいただきたいです)、このアルバムでもう一つ重要な役割を果たしていると思われる「人形」という曲があります。

 

「A New Trilogy」のプロローグフィルムにはBGMとして「人形」が使われています。加えてアルバムトラックのラストを飾っているのもこの曲。カムバックが待ちきれず手持ち無沙汰になった僕は、次に少女たちが見せてくれる姿への手がかりがこの曲に隠されているんじゃないかと期待してしまうのです。

 

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【カナルビ/歌詞/和訳】Lovelyz - 인형(人形)|K-pop 歌詞和訳

 

数ある楽曲の中でも異彩を放っているのがこの「人形」という曲。「아나요 잠도 못 드는 나를 知っていますか? 眠りにもつけない私を」そんな問いかけから始まるこの曲の世界は「난 그대의 인형 私はあなたの人形」という歌詞からも分かるように、意志を持たないはずである人形の視点からの語りによって描かれることになります。

 

「知っていますか?」という問いかけが幾度も繰り返され、それはともすれば自己完結的で皮肉を込めたものにも聞こえる、そんな人形の切実な言の葉。

 

알아요 나를 닮은 그 애를
知っています 私に似たその子を

알아요 그 앨 닮은 내 모습
知っています その子に似た私の姿

TV 속에 춤추는 그 앨
TVの中で踊るその子を

난 멈춰 선 채 바라만 보죠
私は立ち止まったままただ見つめています

 

終盤このように続きます。今までが人形の語りだったことを考えると、これも人形の言葉であるとするのが妥当かもしれませんが、「知っています」が「知っていますか?」に対する応答だとしたら?人形の孤独な問いかけに応えてくれる存在はいないのか、人形の想いは救われることはないのか、そう考えるとこの言葉を「持ち主=少女、の人形に対する応答」と捉えたくなってしまうのです。

 

眠りにつき、静かに夢を見ている持ち主を、部屋の隅で何も言わず静かに待っている人形。ではなぜその持ち主が人形の問いかけに応えてくれたのか?そもそも「夢を見ている」ことが暗示していることとは何なのか?

 

おそらくLovelyzの世界観における「夢を見る」という表現が意味するのは「過去への囚われ」や「その場に立ち止まること」だと思います。「Destiny(私の地球)」における夢世界として「For You」を解釈したこととも関係ありますが、この二曲にせよアルバム収録曲にせよ、過去に囚われていたり、なかなか一歩踏み出せない少女を描いていることが多い気がします。

 

きっと少女自身も、足場のない世界へと一歩踏み出さなければいけないことは分かってるんです。分かってはいるものの、過去への後悔、未来への不安から勇気が出ず、夢を見続けたまま立ち止まっている。あえて夢から覚めようとせず自分の思い通りになる世界の中に閉じこもっている。

 

そんな少女の「一歩踏み出した姿」を投影したものが「人形」であり、「TVの中で踊るその子」なのかと。似てるけれど何か違う、そんな自分に近いような遠いような存在。この時だけ少女と人形の視線が一致しているようなイメージです。少女は人形の視点に寄り添って客観的に「私」を見つめている。一歩踏み出した先にいる私(TVの中で踊るその子)を、夢の世界の中に立ち止まったままただ見つめているだけの「私」を。

 

話は逸れますが、心理臨床における遊戯療法や箱庭療法では人形が使用されることがあります。人形をどう扱うかによって患者の内的世界や心理状態を推し量るのです。つまりその時人形は人の心の象徴と考えられています。

 

人形という存在について考えるとき, 特徴的だと考えられるのが, 人形が人によって弄ばれるという点である。他と異なり人形は「私」という個人によって弄ばれ, それによって人形は「私」であって「私」でないという二重性を持った中間的な存在となると考えられる。そして, そうした中間的な存在として, かつて人形が人の思いや苦しみを託すヒトガタとして用いられたように, 現代の心理臨床の場面においても, そうした中間的な存在として「私」の想いや生きる苦しみを代わりに受ける存在として, 人形は存在していると考えられる。(菱田 2012 「人形の象徴性と心理臨床における人形のあり方について」)

 

やはり人形が独立した意志を持っていると考えるよりも、持ち主の想いが憑依した「私」であって「私」でない存在とした方が、少女が生きる「夢と現実の境界」という世界観にも合うのではないでしょうか。

 

話を戻してまとめに。人形(一歩踏み出した私)からの問いかけに応じた少女は、この場所にいつまでも留まっているわけにはいかないことを知っています。しかし待っているだけでは当然何も始まりません。「처음 봤던 그때 그대로 初めて会ったあの時あのままで 난 그댈 향해 웃고 있는데 私はあなたに向かって笑っているのに」人形は少女に可能性を開きつつも「조용히 그대를 기다려 静かにあなたを待ってる」だけだからです。

 

いつか少女が葛藤、不安、苦悩を乗り越え一歩踏み出す時が来ます。安心にすがり動き出そうとしなかった少女は、この世界のラストで人形の問いかけに反応し、目覚めの様相を呈します。もしかすると今は「0」と「1」の狭間で揺れている段階なのかもしれません。

 

少女はドアの前に座り、人形は反対側の窓のそばに置いてある光景が浮かびます。一歩踏み出し人形へと近づいていく過程で少女はどのような景色を見せてくれるのか、どこに向かうのか。夢⇔現実、内⇔外のような二項対立の図式に捉われない答えを提供してくれるんじゃないかと期待せずにはいられません。もしその瞬間に立ち会えればとても嬉しいですし誇らしいです。

 

しかし安定を捨ててまで少女は自分の中の弱さと向き合う必要があるのでしょうか?そんな疑問に今はまだジャンクの人形がこう答えるかもしれません。

 

「だって生きることは戦うことでしょ?」(「ローゼンメイデン」より)