2019年のKPOPを10曲選んでみました

お疲れ様です。今年はケーポップから離れる人、ケーポップに新たに、または改めてどっぷりとはまる人にはっきりと二分された年だったと思います。ちなみにこれはKPOPをあまり聴かなくなったという極めて個人的な経験に基づいてあたかも事実のようなことを言っているだけです。もうなんか今は一周まわって家では未来少年コナンを視聴し、外では女児にまざって"プリチケ"を"スキャン"し、"マイキャラ"で"ライブ配信"といった行為などにいそしんでいます

 

さて、タイトル通り2019年のケーポップから10曲を選びたい!と思い立ったのはいいのですが、いかんせん下半期はまったくと言っていいほど曲を聴いていません。曲を聴かずにツイッターだけをぼうっと眺める、そんなわたしが下半期ケーポップで最も心を動かされたニュースは「ネイチャーにキムソヒ加入」。薄い。薄さにおいて他の追随を許しません

 

とりあえずリハビリとして昨年のベスト10記事を見返してみようと思います。

ringokun-m.hatenablog.com

 

ネイチャーにキムソヒ加入が一番心動かされたは嘘でした、正しくはグッデイ存在しなかったことにされた事件でした(何のことかわからない人はGOOD DAYという鍵垢公式アカウントとC9 GIRLZのアカウントを見比べてみよう!想像を遥かに超える体験が君をまっている!)

 

読み返してみて勝手を思い出してきました。何とか10曲ひねり出したのでざざっといきます。音楽的な考察を一切しない、令和を迎えさらに薄さを増した表面だけの世界をあなたに。

 

 

10位:TMI ー HOT PLACE

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まずはこれから片づけます。サムネ腹立つな。恥ずかしい、、、恥ずかしいなあ、、、、、この曲トップ10に入れるのかなり恥ずかしいなあ、、、、という気持ちを抱えたまま走り出した、ちゃんとケーポップを聴いていないことが即バレの10位です。一部界隈にて局地的な人気を得ており、確かおすすめされてはじめて聴いたような気がするのですが、これを自力で"発見"した人ヤバくない?「あ~~~~~もうすべてをどうでもよくしちゃお🎵」という自暴自棄のバイオリズムに突入した日に推奨される一曲。髪短い人オリビアヘに似てる、気がする。(名前を調べる気はまだない)

 

9位:Bon Bon Chocolat ー EVERGLOW

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エバグロ、定期的に披露されるイロン先生の顔面おバズり芸しか今のところ印象にないのでちゃんと調べたらこの後もカムバしてたんですね。ボンボンショコラですが、これはガールクラッシュというよりはTMI寄りというのが大方の見方らしいです。かっこいいんだけどウケちゃうという古のケーポップソウルを彷彿とさせるので、サビで歌ってなくても全然大丈夫です。kpopは意味もなくフライハイしろ。脈絡なくゴーイングクレイジーしろ。勝手にカムクローザーしろ。そして死ね

 

8位:Miss U ー ELRIS

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あの・・Summer Dreamから1年経ってるんですケド。と思ってたら、ここまで待たせておいてデジタルシングルかよという不満を吹き飛ばす良曲で文句言えなくなっちゃいました。音楽番組でミュージカル風のステージが見たいというオタクのささやかな希望を抱いていましたが、シンプリーケーポップにもフラれました。5人組のアイドルグループには何かしらの優遇を与える仕組みを整えた方がいいと思います。わたしたちは今、アイドルの王道に飢えている

 

7位:Butterfly ー LOONA

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Butterflyでは自分がる~なのプレグリで彼女たち全員が揃った姿を見て感じた可能性が体現されていました。とにかくあの時は12人の生の圧とシナジーがすさまじかったので、MVの世界観をステージでも、というより、そこはきっぱりと分けてしまってステージでは人数の多さを生かした展開や派手なパフォーマンスを重視しているのかなと。そこは初めから海外を視野に入れているだけあるなと思います。まあステージ上にる~なば~すを見出すのはオタクの勝手ですが。個人的にはちょくちょくある男子グルカバー的なことをしたがるのにはあまり興味が持てないので(戦略として理解はできますが)、とにかくる~なにしか表現できない強さを見つけてほしいと思います。

 

6位:Senorita ー (G)I-DLE

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ほんっとにウギちゃんの声が毎回新鮮に最高なんだよな・・・あいどぅるの曲って起承転結のパターンに落とし込まれてるから聴きやすくて好きなんですけど、ウギちゃんの「転」の声が果たしてる役割かなり大きいと思う。それだけならランクインまでには至らなかったんですが、後半ゆっふっふっふふ、ふっふっふふ連呼が始まりそのままセニョールで締める謎の40秒のおかげでここまで上がってきました。筆者はこういったクセを求めてケーポップの宙をさまよっています。

 

5位:Beautiful Days ー Lovelyz

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lovelyzに対する一応のけじめをつけることができた曲でした。ご存じの方もいらっしゃるとは思いますが、lovelyzはチグムウリ以降「それは違うだろ」案件を連発し、曲がいまいちなグループ、女性人気のないグループ、ぱっとしない中堅など様々なレッテルを貼られてしまいました。正直ファンから見てもそうだったので仕方ないのですが、ただこの曲では背伸びをした新たな世界の提示でもなく、まして単なる回帰でもない、今の彼女たちがそのままうたわれていたと思います。過ぎ去った季節を大切にし、ただ色あせていくことを惜しいと思っている姿を見ることができて、「もう自分の足で立って歩くアイドルなんだな」と"lovelyz"に別れを告げる心の整理がようやくできたのでした。

 

4位:Pretty Girl ー PRODUCE X 101

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いぽいぽ、それは夏の煌めき。適当にしか見ておらずドユニ視聴者の手癖でハンギョルネタツイしかしてなかったプエクからいぽいぽランクインです。正直すしぷず以外いらなくね?とは思っていましたが、当時ただでさえ「ウソクのヒモ」という思想性の強いアカウント名でツイッターをやっていたこともあり、あまり声高には言えなかった。まじでいぽいぽの青春の核はハムなんですよ。。。エクワンの動向はまったく追ってないんですが、アイズワンと合わせて現在光は見えているんですかね。

 

3位:Why ー ONF

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下半期ダントツの神曲。これがなかったらkpopから完全にフェードアウトしていたとしてもおかしくない。この曲のおかげでまだまだケーポップを面白いと思える。わたしの感性は死んでいない。感謝。kpop特有の怨念のようなねちっこさに加え、おねのぷはとにかく音が良すぎる。「音が良い」が何を意味するかは全然分かっていませんがとにかく音が良い。決して奇をてらってるわけでもないんだけど、他グループと差別化も図れている。誠実だ。とりあえず良い曲を聴きたいという方には自動的におねのぷを薦めるAIを積もうと思います。

 

2位:Alright! ー VERIVERY

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実質1位です。なんというかベリベリには「いぽいぽが全員ハム」みたいな贅沢さがあるんですよね。ハムの大渋滞。青春の過剰摂取。恥も失敗もすべてひっくるめて輝くような青春の全能感。もうベリベリがいぽいぽやれよ。そんなベリベリ、Tag Tag Tagではなんと自己言及をしていまして、デビュー1年目にして自分たちが過ごしていた青春を青春として認識しはじめたのではないかというような大物ぶりを見せつけています。3〜4年目とかになったら何歌ってるんですかね。

 

1位:WOOWA ー DIA

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自分がネタでウ~ワを好きだと言っていると思われている方もいるかもしれませんが、ウ~ワへの好きの気持ち、かなり本気です。ウ~ワのことを考えて眠れない夜を千は越えてきました。下記にウ~ワへの好き、列挙させていただきます。

・少し弱めのサビで振っといて大クセピコピコ音でバイブス爆上げするの最高

・ウンチェをバズらせようという露骨な魂胆。魂胆は見え隠れするものという概念覆し。

・どの感情よりも「ウケ」が先行するケーポップソウル

・ウチらがケーポップ背負ってるという自負

・1位歌手なのにこの曲では同じくディスコスタイルのモモランドとガンかぶりし1位取れなかったとこ

 

ほんとkpopの文脈からもDIAの文脈からもこの曲出てこなくないですか?ネットに沈殿していたものからとにかく派手なものをランダムチョイスして組み合わせたら突然変異起こしたみたいな感じ。ウ〜ワも20年後くらいに掘り起こされて再評価されそう。これをかけるdjは"分かってる"みたいな言い方をされる未来が見える

ちなみにウ〜ワで一番好きなステージはこれ↓

https://youtu.be/Tv551BotyZY

ほぼヴェイパーウェイヴです。DIAを批評するとしたらそこにしか活路はありません。

 

 

◯2019年ケーポップ総括

総括というより個人的な印象の変化の話です。

・救世主ではないアイドル

私は「今、ここ」ではない世界へと手を引いてくれる存在としてアイドルを捉えていたのだと思います。ことkpopではよく言われる、「言語や文化が違うから二次元を推すような感覚」と通じるところもあるのですが、アイドルの存在が自分が立っている世界と地続きで繋がっている、歌われていること、表現されていることがこの世界のためにあるという感覚がなかったんだと思います。ちなみにここで言うアイドルが指しているのはケーポップアイドルに限っています。

 

ただ、2018~2019年にかけて、アイドルを今この世界に生きる一人の人格として実感する機会が多くなりました。アイドルとしてではなく韓国に、この世界に生きる若者として声を上げる人々。ファンダムがアイドルの人生に良くも悪くも関与できる、と分かったことも影響していると思います。いつしかそんな現実を生きるアイドルに向けられる悪意、エゴ、それだけではなく期待までもが見ていて辛く、消耗していきました。向けられる眼差しの際限のなさ、それを可能にする業界の不健全さ、このまま何も考えず好きでいていいのだろうか。折り合いをつけたと思ったら自分の態度と現実の辻褄が合わなくなる。そこに向き合うことは必要だとは分かってる、でも心をすり減らしてまで…という気持ちもあり…

 

そんな中登場してきたのが本当の意味で彼ら/彼女らにしか歌えない曲でした。twiceやmamamooなんかがそうで、拡大する妄想が入る余地の少ない曲、等身大のじぶんを表現する曲、紛れもなく「今、ここ」の世界のことを歌っていました。そこにはもちろん現実と同様の思い通りにならなさ、葛藤も含まれています。私たちと同じ世界に降りてきたアイドルは革命を起こす救世主などではなく、小さな革命の連鎖を私たちとともに作っていく存在だったのです。

 

・安易な感動で終わらないために

そのようなアイドルはガールクラッシュという括りで語られることがあります。ガールクラッシュというワードがぼんやりしすぎてて自分もよく分かっていませんが、視覚的なイメージから、より「文脈」の方が重視されるようになってきている印象を受けます。ステージ外での言動や、社会的な背景などが歌に反映され、「共感」を呼び、「感動」を生む。今わたしたちのことを歌ってくれているんだと励まされる。

 

救いだと思いました。別の世界の存在だと思っていたアイドルが、同じ場所で、今この世界のことを歌ってくれる。その一方で、今年起こった様々な出来事から、そんなアイドルのことを結局のところ何も知ることはできていないという思いを強くもしました。人々が望む姿を見せなければならない裏で何を考えているのか、分かった気になって、でも究極的には何も分からなくて。

 

だから安易に共感、感動することに対して怖さがあります。どんなに好きでも、どんなに時間をかけても、最後の最後のところで他人のことは全く分からない。安易に共感した他人は、自分が思っているのと全く違う人間なのかもしれない。アイドルが同じ地平に降りてきてくれたからこそそのような恐怖が生まれてきました。救世主から、隣にいる異質な他者として浮上してきたアイドル。私たちは自分を重ね合わせ共感するけれども、より複雑な自分自身の現実を見過ごしてはいないか、そもそも他者は自らが思っているような他者であるのか。

 

他人の物語に、これこそ自分だ!と感動することでしか慰められない傷はあると思います。他人は他人だから一生分かり合うことはない、と諦めるようなこともしたくはありません。ただ、最終的には他人を他人として理解、対話をし、自己を相対化し捉える、という過程をサボってはいけないと思います。そのツケは必ず回ってきます。アイドルに共感した時こそ、自分のこと、個人的なこと、周囲のこと、そしてそのアイドルのことをよく見直し、考えるべきです。

 

うまく心中を言葉にできている気がしませんがかなり戸惑っていることは伝わったと思います。楽観的に捉えているわけでも悲観的に捉えているわけでもないですが、とにかく考え続けるタフさが求められるようになりました。ケーポップを聴く中でどのようにアイドルに向き合っていけばいいのか、この1年かなり考えました。正確に言うと、考えないとな〜でも辛いな〜(あまり考えてない)の1年でした。本当の二次元界隈に逃げ込んだりもしましたが、オタクの冷笑ノリがキツく居場所を失っています。宙ぶらりんです。わたしはゆっくりと、透明になっていく。